Itabashi

東京都板橋区

11月25日、板橋地区では、本人さん、行政、ボランティアセンター、地域包括支援センター職員、社会福祉協議会職員、民間企業、医療福祉関係、NPO、研究者、弁護士、学生などが集まりました。

 

認知症フレンドシップクラブいたばし事務局は、今年の9月17日に板橋区では、はじめてのRUN伴が開催されました。板橋区でのRUN伴はテーマが2つありました。

 

 


1点目は、「本人さんとともに、本人さんを主役に」をテーマに開催し、企画、準備、当日、開催後も一緒に行いました。企画、準備のためにルートを一緒に見て回り、安全面などを確認しました。

また、商店街の振興組合をはじめ、各店舗に対しても、チラシをもって挨拶、説明、協力依頼に回りました。当日も台風の中で、全ルートを本人さんが笑顔で走り、歩き、タスキをつなぐことができました。

2点目は「一人の本人さんが安心して暮らせるまちづくりのきっかけにしたい」ことをテーマにしていました。板橋区に引っ越してきたばかりの一人暮らしの本人さんがいました。周りに知り合いがいなく、認知症が進行したら、暮らし続けていくことができるのかを心配していました。そこで、その方の自宅そばの商店街をメインのルートに選択しました。その本人さんとRUN伴を進める中で、近隣の商店、町内会、民生委員、住民と本人が交流し、顔見知りになり、RUN伴終了後も、町内会、民生委員、商店街の方から気軽に声をかけてもらえるようになりました。

RUN伴の終了後も本人さんと共に振り返りの会を行い、RUN伴をきっかけにした本人さんとまちの人の関係を深めつつ、認知症になっても安心してくらせるまちづくりに皆で一緒に取り組んでいます。

 

 今回のキックオフ講演会は、この振り返りの会の一環として行いました。振り返りの会で、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりについて様々なメンバーで考えていますが、先進的にそうしたまちづくりに取り組まれている大牟田市、富士宮市の事例をパイオニアから聞き、今後のまちづくりの参考にすることを目的にしました。参加者は、演者の話に耳を傾け、真剣に聞いてありました。今後も本人さんを中心とした街づくりの展開が期待できると思いました。


私から見たこのまち

水野隆史さん

NPO法人認知症フレンドシップクラブいたばし事務局代表

若年認知症いたばしの会 ポンテ 事務局

本人クラブ(若年認知症とともに歩む本人の会) 事務局

保健師、看護師、精神保健福祉士、介護支援専門員

若年認知症の人とともに一緒に考え、悩み、ともに行動しています。誰もが安心して暮らせるまちづくりに本人さん、仲間とともに取り組んでいます。

よいところ

住民である本人さん、家族さんが自ら声を出して、表現するようになり、行政、医療福祉関係だけでなく、隣人の住民にも声が届くようになり、様々な協力者が徐々に増えてきています。認知症になっても安心して暮らしていけるまちづくり、誰もが安心して暮らせるまちづくりの主体の一つが本人さん・当事者さんであること、本人さん・当事者さんを中心にまちづくりをしていくことが浸透しつつあると感じています。

課題

認知症になっても安心してくらせるまちづくりに取り組んでいる人、団体、誰もが安心して暮らせるまちづくりにとりくんでいる人々、団体が多数あり、ネットワークもあります。ただ、56万人の人口、広い面積からプラットフォームまでにはなっておらず、それぞれに奮闘しているイメージです。

次のステップ

本人の希望・ニーズに寄り添う小さい活動を継続し、同じ目的・目標をもつ団体・ネットワークと緩く連帯を結んでいき、活動の幅、エリアなどを広げ、様々なセクターをネットワークに取り込み、認知症になっても安心して暮らせる、誰もが安心して暮らせるまちづくりのプラットフォームづくりに進んでいきたいです。